バイクの振動測定 センサー準備編 2020/5

バイクの振動を測ってみたい。

理由は、タイヤ交換時のバランス調整の影響を知りたい、と思ったためです。

まずは、バランス調整済みのタイヤ・ホイールセットにウエイトを追加し、

意図的にバランスを崩して試走してみました。

影響は大まかには体感できたのですが、数値的にも測ってみたいと思ったのです。

コロナウイルスの影響であまり外出もできず、時間も十分にあるので、測定機器を作ってみました。

製作した振動測定ユニット。

これはケースのカバーを開けた状態です。

サイズは約100×60×20mm、部品代合計は4000円ちょっとでしょうか。

組み込んだ加速度センサモジュール。

電気関係では有名な秋月電子通商で販売されているもので、X、Y、Z、3軸の加速度が測定できます。

同様の物がスマートフォンやゲーム機のコントローラーなどで使われているそうです。

お値段850円也。

同じく組み込んだUSBミニオシロ/データロガー。

こちらも秋月電子通商で購入。

加速度センサモジュールからの信号を変換して、USBでパソコンに送ります。

お値段は2400円。

加速度センサーからは3軸、3chのデータが出力されます。

しかし、これには入力が2chしかないので、X、Z軸を接続し、Y軸は非接続です。

ZX-14Rでのテスト。

タンクの上に両面テープで軽く固定してみました。

ケース上面の十字の真下に加速度センサーが内蔵されています。

測定結果。

目論見通り振動が測定できました。

グラフは横軸が周波数、縦軸が強さで、エンジン回転数約2000rpm(停車中)のデータです。

左のピークは、直4エンジンでは回転数の2倍で発生する2次振動で、計算通りの約67Hzです。

2番目の大きなピーク、約120Hzはどうやら燃料ポンプの振動のようです。

ZX-14Rは、メインキーONで燃料ポンプがウィーンと3秒間動作しますが、

その時の測定周波数の値とほぼ一致しています。

燃料タンク上にセンサーを固定しているため、強く測定されているようです。

走行中に測定すれば、タイヤ・ホイールセットのバランス調整の影響が測定できそうです。

アンバランスなら、タイヤの回転に同期した振動が現れる・・・はずです。

ちなみにこのテスト中、エンジンの同調がずれてきていることに気付きました。

アクセルを開けて狙った回転数に合わせようとしても、

上がりすぎたり、下がりすぎたりで合わせるのが難しいのです。

特に低回転、アクセルの開け始めで目立つので、同調がずれている症状そのものです。

同調が合っていれば、アクセル操作で任意の回転数に合わせられ、

滑らかで軽いエンジンレスポンスにもつながります。

同調を合わせるための整備を計画しましょう。

機材車載編に続きます。

おまけ

上記、秋月電子通商製のUSBミニオシロ/データロガー、OSC001 PCB SCOPE(通販コードK-11841)について。

購入される方がWeb検索でこの記事に辿り着くことを期待して、おせっかいを書いておきます。

購入された場合は、使用前にエポキシ接着剤でコネクター部を補強してしまうのが良いです。

基板上のUSBコネクタは、ケーブルを刺した状態で力が加わると、簡単に外れてしまいます。

コネクタは基板の銅箔パターンに半田付けされてますが、パターンの面積が小さいため、

パターンごと剥離してしまうのです。

一部の信号ピンのパターンも道連れで千切れてしまいました。

修理・補強したUSBコネクタ部。

2液のエポキシ接着剤で周囲を固め、信号ピンも半田付けし直しました。

千切れてしまった信号ピンのパターンは、極細のメッキ線で置き換えています。

非常に細かい作業なので、骨が折れました・・・。

先端が極細の半田ごても必要になります。