博物館巡りツーリング(岐阜・福井・石川)2020/9/19-20

暑い暑い猛暑の夏がようやく終わり、秋の4連休を迎えました。

色々あって今年はあまり走れていないので、天気も悪くなさそうなこの機会に思いきり走ります。

1000km以上は走りたい。

好きな機械関係の博物館も見たい。

海辺でキャンプしてウヒャヒャと飲みたい。

1泊2日のツーリングに出発です。

自宅前にて。

キャンプ道具を積んで出発です。

海沿いのキャンプ場で夕日を見ながら飲んじゃうもんね!

美濃加茂IC。

中央自動車道、東海環状自動車道をブーンと走ってやってきました。

ここへ来たのは、ある博物館を見学するためです。

龍安寺(りゅうあんじ)。

お目当ての博物館の開館時間にはまだ早すぎでした。

そこで、立派な鐘楼門があるという龍安寺を訪れました。

美濃加茂ICからは10分ほどです。

確かに素晴らしい鐘楼門です。

京都には同じ字を書く有名なお寺、「りょうあんじ」があります。

しかしこちらは「りゅうあんじ」なのでした。

開け放たれていた寺の広間。

鐘楼門を見るために来たはずですが、それよりも惹かれたのはこの空間でした。

不思議と心を打たれ、しばらく見入ってしまいました。

障子、畳、襖、書が美しく調和していました。

「莫妄想(まくもうぞう)」と書かれた書も大変良い。

書に惹かれるなんてことはほとんどないのですが。

自宅へ帰ってから調べたところ、莫妄想とは、「妄想すること莫れ(なかれ)」という意味でした。

妄想してばかりです、私。

しばらく眺めたのち、一度はこの場所を後にしました。

しかし鐘楼門を出た後、もう一度眺めたくなって戻ったのでした。

それほど私にとってはストライクなのでした。

ヤマザキマザック工作機械博物館入口。

龍安寺での時間調整後、開館時間に合わせてやってきました。

大手工作機械メーカー、ヤマザキマザックの工作機械の博物館です。

ガラス張りのピラミッドは入口で、博物館そのものは地下2階にあります。

工作機械の生産工場も兼ねているので、温度変化の少ない地下にあるそうです。

機械好きな私、Webで検索していてこの博物館の存在を知りました。

開業は2019年11月、同社の創業100年を迎えるにあたって開館したそうです。

好きな機械がたくさん見られそうでワクワクです。

入館料500円を払って突入!

出迎えの?旋盤。

同社が過去に生産していたモデルです。

旋盤は、材料を回転させておいて刃物で削っていく機械です。

木製のお碗を削っていくのと同じです。

この旋盤、基本構成は現代の物と同じですが、動力となるモーターが搭載されていません。

動力は天井からベルトで伝えられます。

それについては後ほど。

大昔の木工旋盤の模型。

ヨーロッパで13~19世紀位まで使われていたそうです。

動力は人力で、材料に紐を巻きつけて回転させていたとか。

D51蒸気機関車。

綺麗に整備されていて、運転席の状態も良好でした。

館内には工作機械で部品が作られた機械も展示されています。

自動車、航空機などもありました。

この博物館の展示物、同社製の物だけに留まらず、他社製の工作機械もあります。

平削り盤。

材料が往復運動して削られる機械です。

実際の加工まではしていませんが、動作を見ることができます。

この博物館の素晴らしいところは、多くの機械を実際に動作させているところです。

しかもどの機械も美しく復元されています。

錆び、塗装の剥がれ一つありません。

摺動面は美しくキサゲ仕上げがされています。

入館料収入はありますが、大きくはないはず。

コストと労力を費やしつつも、多くの工作機械を展示するその姿勢に敬服、感謝です。

足踏み式旋盤。

1875年製。

自転車のようなペダルを踏んで材料を回転させます。

実際に自分で削ってみたい!

手回し式ボール盤。

ボール盤はドリルを回転させて材料に穴を開ける機械です。

これも使ってみたいなあ。

子供の頃、ハンドドリルで穴あけをしていたのが懐かしい。

足踏み式グラインダー。

人力シリーズが続きます。

この機械のステキなところは下の方。

足踏みペダルと機械の脚。

足踏みペダルは、凝った模様が透かし彫りになっています。

製造メーカーのアルファベッドが入っているようです。

脚は動物の足のようです。

こういった凝ったデザイン、現代の機械ではありえません。

「余計な設計すんな!コストアップになるだろ!」

昔の工作機械の動力伝達の様子。

かつての工作機械は、機械それぞれにモーターは搭載されていませんでした。

ではどうしていたかというと、工場の大きな水車や蒸気機関の動力を分配して使っていました。

天井のシャフトからベルトを介してそれぞれの機械に動力を伝えます。

ボール盤。

現代のボール盤とだいぶ構成は違います。

しかし、ベルトをかけかえて変速する仕組みは同じです。

ここで穴あけ加工時のマメ知識。

穴径で5000を割ると、大体良い感じの回転数(rpm)になります。

動力伝達を止める仕組み。

長い木のレバーを右へ動かすと、フォークが連動してベルトを右のプーリへ移動させます。

右のプーリは機械へのベルトがかかる軸に対してフリーなので、動力伝達が止まる仕組みです。

機械それぞれに動力伝達を止めるクラッチのようなものが見当たらないので、

案内の方に尋ねてみたところ、説明と実演をしてくれました。

この仕組み、確かに機械は止められますが、素早く頻繁に止めたり動かしたりを切り替えることはできません。

「ヤバッ!」と思っても機械をすぐに止められないのが恐ろしい。

直結汎用旋盤。

1938年製。

時代は進み現代の機械と同じく、個別にモーターが搭載されるようになりました。

専用のモーターが機械に直結されているので、"直結”汎用旋盤と呼ばれます。

モーターを搭載したボール盤。

モーターは搭載されましたが、天井からのベルトで動力をもらっていた頃の名残が感じられる構成です。

多用途機械。

これは船の搭載用として作られたそうで、旋盤とフライス盤を兼ねる作りになっています。

ガレージに置くならこんなのが良いかも???

様々な機械。

工作機械で部品を作られた様々な機械として展示されています。

目を引いた機械がありました。

鉛筆削り。

右側のハンドルを回すと、刃と鉛筆の両方が回転して先端を削ります。

ここまで大げさな仕組みにするかね、フツー。

鉛筆を削るだけならもっと簡単な仕組みで十分、完全にやりすぎです。

しかし・・・、ちょっと欲しいかも。

鉛筆を自分で削ってみたいなあ。

長~い旋盤。

長さ10mまでの材料が加工可能です。

加工作業をしたら、右へ左へ歩き回って疲れそう。

高さ(段差)の体感コーナー。

手前の材料には階段状に0.5mmから0.005mmまでの段差が設けられています。

0.005mmの段差でも、手で触れば段差があることは分かります。

ヒトの手は優秀なセンサーです。

金属加工の体験コーナー。

ヤスリがけ、刻印などの金属加工を体験することができます。

バイク(自転車)のオブジェと文鎮。

金属加工の体験ではこれらを製作します。

参加しようかと一瞬迷いました。

しかし若い頃に十分やったのでパス。

・・・時は今から20年近く前にさかのぼります。

当時、私が所属していた機械保全の職場でのことです。

大先輩「毎日、毎朝、ヤスリをかけなさい。」

私「!?」

大先輩「続けていると、ヤスリが材料に当たる感覚が掴める様になってくる。

手を繊細に動かせるようになってくる。感触からヤスリの当たっている状態が掴める様になってくる。

ヤスリだけでなく、機械のハンドルを回すときも同じ。繊細に回して、その感触から状態が分かるようになる。」

私「???(言ってる意味が今一つ分からないなあ)」

それからしばらくは毎日、毎朝、1時間ほどヤスリをかける日々です。

50mm角ほどの鉄鋼材の面にヤスリをかけて削り、ダイアルゲージで測って平面を出します。

1ヶ月以上続けた頃でしょうか、先輩の言っていることが分かるようになったのです。

自分の手が別物になったような感覚を感じました。

訓練、鍛錬は大事です。

最新の機械で加工されたF1マシン用パーツ。

うーん、手にとってじっくり眺めてみたい。

軽いんだろうなあ、ちょっと冷たいんだろうなあ。

しかしケースに入っていて触ることは出来ないのでした。

残念。

販売されていた博物館の図録。

展示品の写真が収められています。

お値段は900円。

買いました!

他には工作機械のプラモデルなんかも販売されています。

1台どーですか?

そちらは買いませんでしたが。

ヤマザキマザック工作機械博物館、大変楽しめました。

機械好きなアナタ、是非行ってみて下さい。

ここから車で30分ほどの場所には、かかみがはら航空宇宙博物館があります。

そちらもおすすめなので、セットで訪れるのはどうでしょう?

さらに隣の愛知にはトヨタ博物館、トヨタ産業技術記念館、リニア・鉄道館もあります。

機械好きにとっては聖地です。

富加関IC。

工作機械博物館をあとにして、再び高速道路で移動です。

米原JCTを経由、向かう先は北陸です。

気比神宮。

福井県敦賀市。

敦賀という場所を知りたかったのでやってきました。

北海道へ何度もツーリングに行っています。

その際、多く利用しているのが新潟~小樽の新日本海フェリーです。

同社が運行するフェリーには敦賀を起点に新潟、秋田を経由して苫小牧へ行く便があります。

そこで前から敦賀ってどういう場所なんだろう?と思っていたのです。

本殿。

気比神宮は北陸道総鎮守とのこと。

楽しく無事なツーリングが続きますように。

敦賀鉄道資料館。

気比神宮からバイクで5分ほど、海沿いにあります。

館内。

かつての敦賀駅をイメージした作りです。

過去の敦賀港の模型。

かつてはロシア、ウラジオストックとの定期船が発着し、大変栄えたそうです。

フェリーターミナル。

せっかくなので訪れてみました。

苫小牧行きのフェリーはここを発着しているのね。

この時はフェリーは留守でした。

やったー、乗船だあああっ!、とスロープを駆け上って行くと海へ落ちるので今日はやめておきます。

(上の写真では見えませんが、ちゃんと封鎖ロープが張られています)

ホテル ルートイン金沢駅前。

本当はキャンプがしたかった。

しかし、ここが今夜のお宿です。

海沿いの近場のキャンプ場2箇所は満員で利用できなかったのです。

密を避けられること、YouTubeでキャンプをする芸能人が話題になっていること、

キャンプを題材にしたアニメ・ドラマの影響などでキャンプ人気が高まっているとか。

ホテルの部屋は確保できたのものの、ロビーは大混雑でした。

チェックインは番号札を渡されて、順番に呼ばれるのを待つのでした。

この日、ネット予約をしようとしたら、システム上は満室だったかもしれません。

しかし私の持っているのはガラケー、ネット予約はできないので、電話で空室を問い合わせました。

ホテル「禁煙室はウォシュレットの故障している部屋でしたらご用意可能です。

そのお部屋なら10%お値引きさせていただきます。」

私「その部屋で!」

ガラケーユーザーで良かった。

近江町市場。

金沢駅近くの市場で、日中は観光客で賑わいます。

しかし夕飯前の散策では、開いている店はほぼなくて静かなのでした。

市場なので営業時間は朝から、当たり前です。

ハタハタの塩焼きと日本酒。

ハタハタを食べると、日本海沿いに来たと実感します。

太平洋側ではあまり見かけない魚です。

この写真、実は2軒目の居酒屋なのでした。

「酒と魚菜 わたり」、美味しい料理とお酒、実直な店主。

良いお店でした。

また来たい。

本日の走行距離は505km、たくさん飲んで食べて満足しました。

それではホテルへ帰って寝ましょう。

2日目へ続きます。