クラッチスレーブシリンダー整備 2017/9

2017/10、後半にフルード漏れ修理の記事を追記しました。

クラッチのスレーブシリンダーを分解して整備します。

ここは新車から一度も手をつけていません。

フルードの抜き取り。

ブレーキの分解と同様、分解前に出来るだけ注射器で吸い取ってしまいます。

こうしておくと、分解時のフルードの漏れを少なくできます。

抜き取ったフルード。

2年間の使用で汚れました。

取り外して分解したスレーブシリンダー。

ちなみに、アンダーカウルを外さなくてもギリギリ取り外し可能でした。

シリンダー内面。

腐食した痕跡があります。

シリンダーは表面処理無しのアルミ製ですが、表面に油分があればそうそう腐食はしないものです。

しかしどうやら工場組み立て時に、グリスは塗布されていないようです。

腐食防止以前に、ここはピストンとの摺動部なので、グリスが必要です。

ピストンの点検。

リップの傷を目視点検します。

異常なし。

内面研磨後のシリンダー。

研磨スポンジで軽く磨きました。

腐食の痕跡は残っていますが、スベスベで引っ掛かりはありません。

当たり前ですが、研磨は削り取る作業です。

あまりむやみに行ってはいけません。

ピストンの挿入。

シリコングリスをしっかり塗って挿入します。

フルードの注入。

新しいフルードを注ぎ、エア抜きをすれば完了です。

・・・少しですが、クラッチ操作が軽くなりました。

スレーブシリンダーのピストンにグリスを塗布して潤滑した効果です。

ZX-14Rのクラッチ操作は、重く感じる方もいるようです。

その対策として、マスターシリンダーのピストン径を小さく、

スレーブシリンダーのピストン径を大きく変更して、改善する方もいるようです。

しかし変更は、スレーブシリンダーをはじめ、関係部分の潤滑を確認してからでも遅くなさそうです。

ここから追記記事。

実は前述の整備を行った際、本来は付着しないはずの場所にブレーキフルードが付着していました。

フルードを抜き取った際にこぼしたかも?とも思ったのですが、気掛かりだったので後日チェックしてみると、

フルード漏れ発見。

やはりフルード漏れが発生していました・・・。

分解整備時に、シリンダー内面には腐食痕がありました。

腐食が原因とは断定できないのですが、スレーブシリンダーをAssyで交換してしまうことにします。

用意した新品のスレーブシリンダーAssy。

13231-0002 リリースアッシ(クラッチ)、6,700円也。

新品のピストン・シールの状態。

グリスは塗られていないと思っていましたが、

薄いピンク色のグリスがしっかり塗られていました。

新品のシリンダー内面。

このグリス、ヤマハR1-Zのキャリパーのシールに付属していたグリスに色が似ています。

フルード漏れの状態。

今まで使っていたスレーブシリンダーを取り外しました。

フルードとグリスが混じったものでデロデロです。

新品シリンダーの点検。

元々塗られていたグリスを拭き取って点検します。

当然ですが、ピカピカのツルツルです。

スレーブシリンダーとスプロケットカバーの間に挟むスペーサー。

忘れずに組み込みます。

サービスマニュアルの指定通り、写真に写っている段のある面を

スレーブシリンダー側(車体外側)に向けます。

交換完了。

フルードを補充して、エア抜きすれば完了です。

フルード漏れが発生した古いシリンダー内面。

フルード漏れの原因は、矢印の辺りに出来た凹凸でした。

位置は車体装着時にちょうど真下に来る位置なので、

何か異物を噛みこんでしまったようです。

異物はフルードに混入していたか、ドライブスプロケットから飛散したかの、

いずれかと推測されます。

前回整備時、軽く磨いた上でチェックしたつもりだったのですが見落としていました。

甘かった・・・。

前回整備した際、グリスは全くありませんでした。

グリスには、潤滑、防錆、密閉などの他、異物の侵入防止という役割もあります。

ドライブスプロケットから飛散した異物が原因だった場合、

グリスが塗られていれば防げたかもしれません。

ここからはオマケ。

900Ninjaなどのクラッチ操作を軽くするために、

ZZ-R1400/ZX-14Rのクラッチスレーブシリンダーが流用されることが多いようです。

そこで参考になるよう、サイズを測定して載せておきます。

外観。

外周3箇所の固定ボルト位置は同じらしいです。

ピストン径は35.7mm。

シリンダー外径は41.9mm。