分解、部品洗浄・点検が終わったので、組立てを行います。
今回は標準のセッティングとなるよう標準指定粘度のオイルを入れ、標準指定の油面に合わせます。
カートリッジユニット固定ボルト。
銅ワッシャーは新品に交換、ネジ部には緩み止めを塗ります。
カートリッジユニットの固定。
インナーチューブにカートリッジユニットを挿入し、ボルトで固定します。
カートリッジユニットの供回りを防ぐため、スプリングとカラーも入れ、
下から押し上げながらボルトを締めます。
アウターチューブへのシール組み込み。
ワッシャーを入れた後、オイルシールを組み込みます。
シールは刻印のある側を外側に向けます。
古いオイルシールを重ね、アウターチューブ全体を持ち、平らな面に押し付けると簡単に押し込むことができます。
スナップリング組み込み。
錆びは無かったので再利用です。
ダストシールの組み込み。
手で押し込みます。
トッププラグのOリング交換。
Oリングは再使用できそうでしたが、新品を用意していたので交換しておきます。
古いOリングには弾力があり、亀裂など傷みもありませんでした。
用意した新品のフォークオイル。
カワサキ指定の純正フォークオイル、KHL15-10です。
フォークを分解した場合は、片側1本あたり548ml必要です。
つまり、1台分2本のフォークだと約1.1リットル必要です。
1リットル入りの1缶では少しばかり足りません。
惜しい。
油面調整。
標準値は94mm、オイルレベルゲージでオイルを吸って合わせます。
新品オイル注入後、カートリッジユニットのロッドを上下させ、エア抜きをしてから合わせます。
自作のオイルレベルゲージを使用していますが、スポイトでも作業できます。
カートリッジユニットのロッドには、引き上げるために結束バンドを縛りつけてあります。
ピストンロッドのナットの位置調整。
サービスマニュアル指示通りに合わせます。
写真は、測定中というわけではないのでご注意。
スプリングの挿入。
向きに注意します。
細くなっている側が上(カラーに接する側)です。
トッププラグ取付前の確認。
こちらもサービスマニュアルの指示通り、ダンピングアジャスタの位置を測定・調整しておきます。
スプリングコンプレッサーへのセット。
分解時と逆の手順で作業します。
ロッド内側にパイプも入れます。
トッププラグの固定。
組立て完了。
・・・自作のフロントフォークスタンド、安定感という点ではいま一つです。
フォーク先端が滑り、斜めになってしまいます。
次にフォークを分解する機会には、改良版を作ってみようかな。
トッププラグの本締め。
フォークを車体へ戻してから本締めします。
ハンドルなども復元して作業完了です。
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整備完了後、10kmほど走行後の状態。
(当たり前ですが、)オイル漏れは解消しました。
インナーチューブにわずかにオイルが付着していますが、これは組立て時にシールに塗ったオイルです。
ちなみに私の場合、インナーチューブはマメに掃除して、ごく薄くオイルを塗っています。
錆を防ぎ、動作をスムースにするためです。
特にインナーチューブの裏側、ブレーキディスクに近い辺りは汚れやすく、放置しておくと錆びてしまいます。
マメに掃除して油分を与えておくのがおすすめです。
シール・オイル交換前後の変化については、あまり分かりませんでした。
気持ち、フォークの動きが落ち着いたかな?、という感じです。
このHPに顛末を書いていますが、実は片方のフォークの作業が終わった後、突然入院してしまいました。
もう片方の作業が終わって試乗するまで1ヶ月半乗らなかったため、作業前の状態と比較しにくいのでした。