燃料ポンプ点検 2020/8

2020/8/31作成

燃料ポンプの点検をしました。

点検といっても、燃料ポンプを分解するわけではありません。

サービスマニュアル記載の方法で、圧力と流量を測定します。

能力が低下しているようなら、フィルターを交換する必要があるかもしれません。

新車から8年、35,000kmを走行した燃料ポンプの状態はいかに?

結論を書くと、問題はありませんでした。

圧力、流量ともにサービスマニュアル記載の値を満たしていました。

問題があったのは、私の作業方法です。

測定作業中、ガソリンのお漏らしを2回もしてしまいました。

ポンプで送られるガソリンの圧力を甘くみてはいけませんね。

サービスマニュアルの圧力測定方法は、元の燃料ホースを燃圧計付きの測定用ホースに

交換して行うように記載されています。

しかしこの方法、ZX-14Rではとても面倒です。

スロットルボディ側の燃料ホース接続部。

とても狭く、燃料ホースの脱着、測定用ホースへの交換は出来ません。

スロットルボディを一旦車体から外さなければならないのです。

当然、測定後は再度ボディを外し、元の燃料ホースを接続しなければなりません。

出来なくはないのですが、現実的とはいえません。

そこで一工夫しました。

燃料ホースのスロットルボディ側は外さず、タンクと燃料ホースの間に

圧力計を割り込ませて測定を行いました。

燃料タンクの持ち上げ。

固定ボルト4本を外した後、角材を入れて持ち上げておきます。

手元にあった角材を使いましたが、細すぎて不安定でした。

タンクを落としてしまっては大変なので、もっと太く大きな角材などを使ったほうが良いです。

燃料ホースの取り外し。

これはタンク側です。

取り外しはまず、ロック用の赤い部品をずらします。

ツメがひっかかっているのでその部分を押さえながらずらします。

写真は既にずらした状態で、あとはホースを引き抜くだけです。

燃料ホースの取り外し完了。

ガソリンが漏れますが、量は多くありません。

ハンカチ位のウェスがあれば吸収できる量です。

測定用ホースの取り付け。

パイプに差し込み、ネジ式クランプで締め付けて固定しておきます。

本来パイプはホース接続用ではないので、抜け止めのカエシがありません。

燃料の圧力で抜けてしまわないだろうかと不安が頭をよぎりました。

その不安、見事に?的中します。

燃料ホースと測定用ホースの接続。

自作のアダプタ用パイプを介して接続しました。

アダプタ用パイプの作り方はこちら

接続状態。

ロック用部品を押し込んでロックします。

これで、タンクと燃料ホースの間に圧力計を割り込ませたことになります。

燃料ホースのパイプ差込長さは長いです。

自作したパイプでは短めで、ホースの接続部があまり残らず、ぎりぎりでした。

結果的にここからガソリンが漏れることはなく、問題はなかったのですが。

お漏らし(1回目)。

圧力計接続後、まずは漏れがないか確認します。

キーをONにすると3秒間ウィーンと音がしますが、これが燃料ポンプの動作音で、圧力がかかります。

キーをONの直後、接続部からガソリンが漏れてしまいました。

圧力計接続部のホースクランプ締め付けが不十分でした。

圧力計は自作品です。

自作と言っても継手で接続しているだけですけどね。

測定中。

他に漏れがないことを確認後、エンジンを始動しました。

気になる圧力の測定値はいくつでしょう?

圧力計指示。

300kPaを少し越える位でした。

サービスマニュアル記載の標準値は294kPaなので、ほぼ標準値通りです。

問題ありません。

ちなみにサービスマニュアルにはこう書かれています。

「ゲージの針は揺れてぴったりと止まらないはずである。最大値と最小値の平均を圧力値として読み取る。」

しかし実際は確かに針は振れていましたが、振れ幅は針の幅程度で、

わざわざ最大、最小から平均を読み取ることは不要でした。

お漏らし(2回目)。

しばらく圧力計を眺めていると、突然エンジンが止まりました。

タンクから測定用ホースが外れてガソリンがだだ漏れでした。

不安が的中してしまいました。

流量の測定。

圧力計を外して測定用ホースだけにし、先端をメスシリンダーで受けます。

メスシリンダーは運良くサイドスタンドの上にちょうど載りました。

この状態でキーをONにして、3秒間で排出される量を測定します。

ホース内にガソリンが残ったり残らなかったりする影響か、排出量は毎回多少ばらつきます。

数回繰り返した結果、平均は3秒間で約100mLでした。

マニュアル記載の標準値は3秒間で67mL以上なので、全く問題なしと判断しました。

燃料ホースの接続部。

脱着作業時の参考までに載せておきます。

赤いロック部品を押し込むと、パイプのツバに引っ掛かって抜けなくなる仕組みです。

ガソリン漏れは車両火災にも繋がりかねないので、誤って抜けることが絶対にないようになっています。

測定結果は問題ありませんでした。

少しでも問題があれば、燃料ポンプのフィルター交換をするつもりでしたが、

その必要はなさそうです。