R1-Z(その47・・・リアホイール周りのメンテナンス)

ガタガタだったリアのハブダンパーを交換します。

発進の時にガコッと衝撃が出る位ガタガタなのに放置していました・・・いけませんね。

ハブダンパーのガタはハブダンパーが痩せてしまうことが原因で、

ダンパーを新品交換すれば解消します。

ダンパーを交換せずにゴム板などを挟んで解消させる方もいるようですが、

2014年の今現在、新品部品を購入可能なのできちんと交換して直します。

ついでにベアリング交換もします。

リアホイール取り外し準備。

リアキャリパーをブラケットから外し、ブラケットの固定ボルトを緩めておきます。

でないとアクスルが抜けません。

ジャッキアップ。

アクスルナットをあらかじめ緩めておいてから、ジャッキアップします。

レーシングスタンドは持っていないので、写真のような方法でジャッキアップしています。

サイドスタンドに木片で下駄をかませておいてから、スイングアームの右後端を

パンタグラフジャッキで持ち上げます。

ホイール取り外し完了。

ちなみにパンタグラフジャッキは先端部にゴムパッドを取付けて改造したものです。

キャリパーの養生。

外したキャリパーはそのままだと傷がついたりつけたりするので、

100均で買った巾着袋に入れておきます。

ハブのガタ。

ホイールを室内に持ち込んで木枠に載せて作業継続です。

ガタが判るようにマーキングしてみました。

2本の白線分のガタがあり、ハブも簡単に抜けてしまいます。

ハブダンパーの取り外し。

痩せてしまったダンパーを取り外します。

R1-Zのダンパーは写真のようにホイールに保持されるようになっていて、

ホイールを逆さまにしても落ちてこないようになっています。

こういう細かい気配りがヤマハっぽいなと思います。

大型のマイナスドライバーで持ち上げて外します。

オイルシールの取り外し。

オイルシールも交換します。

ベアリング。

劣化したグリスかと思ったら違いました。

このベアリング、片側は樹脂製のリテーナー(ボールの保持器)が露出していて、

反対側は非接触の金属シールでした。

あまり見かけないタイプです。

ベアリングの状態は、それほど悪くはありませんでしたが交換します。

ベアリングセット位置の確認。

ホイールには左右1個ずつのベアリングが圧入されています。

どちらから圧入しても同じ・・・ではありません。

指定された側から圧入しないとホイールのセンターがずれてしまいます。

サービスマニュアルの指示通り右側から圧入すれば良いはずですが、

念のために位置を測定しておきます。

ノギスのデプスバーで測定したところ7mmでした。

ベアリング取り外し開始。

トーチで軽く温めて抜き取り易くします。

抜き取り。

プーラーをセットして抜き取ります。

動き始めるまでは重いですが、「バキッ」と音がして動き始めれば

スムースに抜けてきます。

今回交換する部品。

ハブダンパー、オイルシール、ベアリング。

ベアリングは非純正です。

非純正のベアリングを使用する上で重要なのが、ベアリングの隙間規格です。

ホイールに圧入して使用する場合は、「C3」という隙間のやや大きい規格の物を使用しないと、

圧入後に動きが渋くなってしまいます。ホームセンターなどで売られているベアリングを安易に使用してはいけません。

シールについては接触型の両面シールタイプを選択しています。

レーサーなんかだと、非接触シールを選択してフリクションを極限まで

減らすんでしょうが、街乗りなので耐久性重視です。

新旧ベアリング比較。

ホイールのベアリングは1個がNSK製、もう1個はKOYO製と異なっていました。

過去にメンテナンスされたことがあるようです。

前述した樹脂製リテーナーが露出しているベアリング。

リテーナーがシールも兼ねているのでしょうか???

初めて見ます。

新品のシール。

1つはあらかじめグリスがリップ部に塗布されていましたが、もう1つは塗布されていませんでした。

基本自分でグリスを塗って組込むので問題ありませんが、どうして1つだけ???

ベアリング圧入前のハブの加熱。

ここからは組込み作業です。

ハブをトーチで温めてベアリングを挿入しやすくします。

ベアリングの圧入。

叩いてもベアリングは圧入出来ますが、

私はネジ棒を利用して引き込む方法で行っています。

サービスマニュアルに従い右側のベアリングから圧入します。

右側のベアリング圧入時の左側。

圧入完了。

シールの圧入。

中央にカラーを忘れずに入れ、左側のベアリング圧入します。

右側にはシールを圧入します。

ベアリングほど強い圧入ではないので手で押し込むことができます。

ハブダンパーの組込み。

新しいハブダンパーを組込んでいきます。

押し込むだけではうまくはまらないので、

反対側から引っ張って確実にセットします。

スプロケットのセット。

強く押し込んでやっと入るようになり、ガタは解消しました。

逆さまにしても落ちてきません。これが正常です。

逆の手順で車体に戻せば作業完了です。

乗ってみた結果、当たり前ですが、

発進時にしばしば発生していた「ガコッ」という衝撃は解消されました。